NEW ICE PITON
シュィナ−ド・オリジナル『パイプ・スクリュ−・ピトン』の完成度が高く、それまで『アイスピトン』の考案から製造販売まで、全ての面で世界水準を確保していた『欧州メ−カ−』は、かなりの遅れを、『アイスピトン』で起こしてしまった。当然、クライマ−は性能の比較で『シュィナ−ド・モデル』を使用し出したので、遅れを取り戻すべく欧州各国のクライミング・ギア・メ−カ−は、近代的な新しい『スクリュ−・ピトン』の、開発に力を入れたが完成度の高い『シュィナ−ド・オリジナル』も、更なる改良を進めていたので、この10年間の間で互角に、多くのクライマ−の支持を、得られた訳では無かった。

『シャルレ』『シモン』『グリベル』『カシン』等から、数年おきに改良が施された、似通ったタイプの『アイスピトン』が発売されて来たが、ごく最近まで『オリジナル・モデル』の高機能を凌駕する、新しい『アイス・ピトン』の誕生を見る事は適わなかった。アイス・クライミングには、現在の『ブラック・ダイヤモンド=旧・シュィナ−ド』から発売されている『アイス・ピトン』が最高だと言う意見は、半ば信仰的な感覚まで、多くのクライマ−からの支持を得て、他の次々に登場しては、比較されては文句が多く出る、他・欧州メ−カ−への、こと『アイスピトン』に関しての評価・評判は思わしくは無かったが、2000年・以降からようやくと言える、オリジナル・モデルとの比較で、遜色ない製品が登場し出した。細部の工夫も進み出して、現在のアイスクライミングで最も評価が高く、フエアなスタイルとして、クライマ−が追求している方法での『アイスピトン』の、使用方法でも利用できる、これらの後発タイプは、信仰的・支持・評価を受けて来た『オリジナル』と肩を並べる、価値を遅れながらも取り戻し始めたようだ。

オリジナル・モデルが改良に加えた『スクリュ−・イン』ピトン本体の回転で氷に、捻じ込む労力とスピ−ド。特に軽い力で、よりスム−ズにセッティングを行なう為の、パイプ・スクリュ−に付けられている『ハンガ−部分』の俗に『ノブ』と呼ばれる突起の工夫は、『グリベル』が、更に機能を考えて大型化を計ったが、重量的な問題と携帯時の不便さ、等を解決できなかった。これらの改良箇所を更に工夫して『シャルレ』は、グリベル・タイプとは異なる構造を採用した『アイスピトン』を発売し、『シモン』はグリベルが、上手く機能面で解決できなかった部分の、ハンドル構造を軽量に仕上げて、収納システムにも工夫を凝らした。改良・進歩は現在も続けられていて、次に、どのような斬新で機能的な『新しいタイプ』が、登場するのかを楽しみにしているクライマ−も多い。
メ−カ−別の『デザイン・タイプ』の違いと、使用するクライマ−の判断・好みで現在では、一概にアイスクライミングには、この『モデル』が、唯一・絶対に有効とは言えなくなって来た。BDが最高という感想や意見は、相変わらず根強いが、個人的には同じレベルで、最新の『シモン製品・トルネ−ド』も、中々アイスクライミングの現場では使い易いと感じている。要は、各自の好みと判断。
『グリベル』のアイス・ピトンの改良点の良さはハンガ−部の工夫。パイプ本体の螺旋・ネジヤマとピトン先端部の刃先も、かなり改善されているが・・・

(初期モデル)のシュィナ−ド・オリジナルに『オメガ・パシフィック』から発売されている、後付ノブを付け足している。最近のBD製品には、ハンガ−部と適合しないので、改造が必要。
折畳めるタイプを採用している、最新の既製品を購入した方が良いだろう。同じ様に、他メ−カ−から、別売されている『物』を他のメ−カ−品に付け加えるにも、基本的には純正品ではないので、何かしらの工夫・改造が必要となるので、人には薦めていない。
『スナ−グ』に、代表される『ハンマ−イン・スクリュ−アウト』タイプの、打ち込み方式の『アイスピトン』を使う機会は、私個人は少なく1997年・以降から、滅多に現場で有効に使用した、覚えが無くなり出した。
不要とまでは言えないまでも、重量的な制約や、スピ−ド面での不利を考えると、これから先に積極的に
携帯して使用する機会は、さらに減りそうな予感。
一般的に、最新の『パイプ・スクリュ−・ピトン』は高価であり、実際のアイス・クライミングの現場では重量面
での制約・以上に、クライマ−ににとっては『価格面』での、制限・制約は非常に大きい。
『アイス・ピトン』の先端部の、4枚の切っ先は非常に鋭利に仕上げられていて、この薄く鋭い構造が硬い氷での使用を可能にしてくれる、機能面での重要ポィントなのだが、成型され鋭く尖れた『刃部』は意外に弱い。
氷の下層に岩が、ありセッティング時に、氷の厚みを見誤ってスクリュ−を回し過ぎたり、乱暴な使用方法1度の失敗で、刃先は簡単に損傷してしまう。

『グリベル』が、専用機械での再生を行なってくれているが、日本で利用することは、まだ難しいだろう。
個人で損傷した『パイプ・スクリュ−・ピトン』を、購入時と同じ程度まで修復・再生する事は、基本的には不可能
機能は完全に回復できない。繊細かつ慎重に、研ぎ直して原形の刃先に、少しでも近いように金属を削るしか
方法は在り得ない。コレが、中々・面倒な作業で失敗すると、高価なギアだけに勿体無い。

この種のギアはクライミング時にハ−ネスや肩から下げた、ギア・スリング。または専用のWギア・ラックにぶら下げて必要な時に取り出しやすいように携帯するが、アイス・ピトン同士が接触・螺旋部や、切っ先が金属面との緩衝で傷付く事は、これまで避けられなかった。最近では『運搬時』『クライミング時』に分けて、アイス・ピトンの保護に適した用具が発売されている。運搬時には、代用品で保護すれば良いが、実際のクライミング時には取り出しやすくて、使い易い方法・用具の使用は、まだ難しく専用の用具も市販され出しているが、これといった、完成品とは呼べない部分が多い。工事・関係者が高所・作業で使っている用具を代用品として、使っているクライマ−もいるが、スタイル面では格好が良くは無い。私もメ−カ−品をヒントに幾つか、試作して使ってみたが、まだ、これはと人に紹介・薦められる程の「物」は作れていない。
                  クライマ−は各自アィディアを出して、工夫している。

購入時に大抵は、付属しているピトンの保護用・品は、捨てずに大事に使うべきだ。
私が最近、気に入って使用しているのは『保護シ−ト』鋏で、簡単に使いたい長さにカットして,巻き付けるだけなのでメ−カ−・タイプやピトン本体の、長さに関係なく、自由に使える。

『保護キヤップ』をゴム・ホ−スで代用するアィディアは30数年前から、多くのクライマ−が使用している、最も安価な方法。メ−カ−が、別売しているものに関しては、微妙に大きさが異なり注意が必要。
ハ−ネスに直接・取り付けて、カラビナ代わりに『アイス・ピトン』をラッキングする用具も最近では使用者が多く『BD』と『シャルレ』他・数社から、似通った用具が出ているが、どれを使うかは好みの問題。ただし、私個人も好み・以外で人に薦める物はある。『チュ−ブ状ホルスタ−』が、現時点では良さそうだ。
樹脂系の『カラビナ・タイプ』のラッキング用具が、現実的に実際のクライミングでは使い易いが、鋭利なアイス・ピトンをラッキングした時に、引き起こされるパンツ等への引っ掛け、干渉やピトン同士とカラビナ等との接触によるピトン本体の損傷と言う『問題』は、このタイプの用具では解決できない点は理解しておいた方が良い。
アバロコフ『Vスレッド』貫通スリング、その他にも幾つかの名称が使われているが、現代の『アイス・クライミング』では、絶対的に必要な技術であり、使えないという『アイス・クライマ−』は、まず存在しない?。この簡単だが、非常に有効な『技術』が実用的に利用されるようになったのには、片手でも簡単に硬い氷に捻じ込めて、セッティングする氷自体に無理な破壊力を与えずに、綺麗な穴を開ける事が<出来るようになった『パイプ・スクリュ−・ピトン』その物の、性能的な新化・発展に助けられている。以前の、かなり力が要求されて、パイプを氷内部に、食い込ます時に亀裂や破砕を、周囲の氷面に及ぼす可能性が残っていた『旧型ピトン』類では、この技術も充分には活用できなかった。『パイプ・スクリュ−・ピトン』でV角度で、スム−ズに開けた『穴』にスリング類を通して結束して、強固な『確保支点』を、作る為に使用されるのが(下・写真)の用具。必携品である。自転車のスポ−クや針金で、簡単に自作可能だが、既製品に良い物がある。
『アイス・クライミング』ル−ト上からの、クライミング終了後の下降では、状況によっては氷瀑帯から直接・支点を取って下降しなければ、ならない場合も在り得る。クライミングでは、様々な自然条件も含めて、目的通り・計画に沿った行動が取れるとは限らない。不意の悪天候や仲間の体調・悪化や、装備類の不足や、現場での紛失も決して、在り得ない話しではなく、そういった『緊急・対応』でル−ト途中からの撤退・敗退に伴なう『アイス・ル−ト内での下降』に、必要な残置支点の設置が必要な場合、携帯している『アイス・ピトン』の使用が、これまでならば仕方の無い方法だった。『パイプ・スクリュ−・ピトン』1本あれば、現在では『二つの穴』を、氷に開けて『スリング類』を通して、直接・氷面に下降用ロ−プも通せ、確保にも使える。こういった技術を知らなかった頃には、先端部が痛んだピトンや古いタイプを残置した。
市販品の中でも、新しいタイプの『パイプ・スクリュ−・ピトン』類は、各社どのタイプもピトン先端部の鋭利な刃先の、メンテナンスや補修は簡単ではなく、繊細な手入れが要求される。一定の必要・知識がない方は無闇にヤスリを、かけて『強引な研磨』を行なわない方が良い。角度や削り具合を理解してから、補修の手を加えよう。先端部が、磨り減ったり、岩に当って欠損した場合には、ヤスリを使用して繊細に削り直しますが、この方法で、完全に元の性能を回復させるのは、難しい。特に、先端の『刃』が曲がってしまうと、削り直す箇所が大きく必要なので、慎重に。研磨・回復を目的の作業を簡単に説明している記述は多いが、それぞれに損傷
メンテナンスの必要箇所と削り方や、角度は異なるのが当たり前。先ずは、良く観察してから。
メンテナンスで重要なのは、パイプ内部もシリコン系・潤滑スプレ−等を、使用して磨いておく事です。ハンガ−の可動部も、製品によっては錆びやすいので、チエックは忘れずに。
強引な使用方法で、下層の岩にピック先端を、強く叩いてしまうと鋭利な先端部が損傷する、だけではなくピック状のブレ−ド部分に歪み、や曲がりが入ってしまう恐れがある。一度、歪みが入ると、硬い氷で再使用するのは、非常に困難になるので注意が必要。過去、20年間で初期のオリジナル・タイプの韓国製品からシャルレ・国産品そして、最新の『シャルレ』や『ブラック・ダイヤモンド』の『フック・形状』のアイス・ピトンを使って来て、デザイン的に、これ以上の斬新なモデルは市販されそうにない予感がするが、改良点は残っていると思われる。

『セミチュ−ブ・ピック』を、次々と購入・交換して来て気が付けば「カジタ」の交換ピックだけで、新旧モデルで6本も、手元に残っていたので3本を『フック・ピトン』として、改造して使用してみた。アイディアは20年ほど前に、他の方が『セミチュ−ブ形状のアイス・フック』として、デザイン・スケッチを公表している。
ピックの長さが、パイプ・スクリュ−と同じでは『フック・ピトン』を使用する条件上での意味を、あまり感じないのと、現場での必要性も薄いと感じていたので、改造・製作時には『ペック・モデル』を念頭にして、プレ−ト・シャフトに取り付けた『セミチュ−ブ』を、極端に下向きに下げた『テロデクティル』よりも、きつい角度で氷面に入る、長さをパイプ・タイプで市販されている物よりも短く、設定してみた。

プレ−ト・シャフトとピックの接合は、最初は単純な穴あけ作業と、ボルト・ナットの取り付けで1本を製作後、次ぎの試作品を友人に頼んで『溶接・固着』で製作。

試験・使用で『氷を詰めたホ−ル・バック』の、落下テストで溶接固着した物は2本共に、破損。
ボルト・ナットで固定した物は、40Kg程度の落下テストには耐えれたが、雄螺旋は変形してナットは飛んだので、実際のアイスクライミングでは使う事が、できなかった。
2006年より使用
アイス・クライミングの世界でも『理想的・模範的と見なされる、フリ−クライミング・スタイル』でのアックス類を、含めて使用用具に体重を預けず、プロテクションを設置して、確保ロ−プを利用するシステムが、可能となって来た。こういったスタイル面での変化・進歩には片手で軽く素早く、そして確実に氷に食い込ませる事が可能となった、最新モデルの『アイス・ピトン』の登場によるプロテクションの、進歩におうところが大きい。
少量の(1本〜3本)の、アイスピトンを素早く取り出せる用具
としては、金属製の柔軟な『ラッキング用具』が使い易い。
シット・ハ−ネスに簡単に、後付けして使う用具で市販品として数多く、流通している訳では無いが自作する事は比較的・簡単。製品としては『エ−デル・リット社・製品』が代表的

古いタイプは『ピンビン/フオレスト社・製品』の様な、非常に
軽量なモデルが存在していて、最近のモデルの基本形にも
見える。欠点は、ピトン類の固定力が弱く、紛失の恐れが強
くて現場での使用経験では、あまり使い易い物では無かった

(右・資料)アイスピトンの取り出しに関しては、最も簡単な
システムで、本数が少ない場合は使い易い。
『韓国製フック・ピトン』を、甲府のシヨップまで、わざわざ山から降りて購入しに行った記憶が懐かしい。
『フック・タイプ』のアイス・ピトンの
種類は、意外と多いが流通量は
少なく、実際に多用している実例
記録も少ない。
ウシュバのチタン・タイプ等ならば
超軽量なので、携帯にも不便や
重量的な負担も少なく、利用価値
は高いと思われる。

一般的に多くのアイスクライマ−に
利用されている『パイプ・タイプ』の
スクリュ−・ピトンの携帯・運搬時
に注意する点は、鋭い先端部の
保護だが、キヤップを紛失する事
も多いので、専用の収納袋を利用
するのも良い方法の1つだろう。
ギア・ラック等にカラビナ利用で、吊るして携帯する方法が実際のクライミング時には、ごく一般的なのだが他の金属ギア類との接触で、スクリュ−先端部を傷つけたりする恐れは多く、衣類との干渉も問題となる。

そういった問題を解決しようと、様々なタイプの専用ケ−ス類が誕生して来たが、これが解決策だと思える製品は無いが、幾つか商品化された製品には、使い易いものも存在している。

鋭利な先端部を保護する為の『専用ケ−ス/収納袋』や、簡易タイプの収納ポ−チ、トランク・タイプのアイス・ギア収納パックまで、多種類の付属品
が誕生している。柔軟な樹脂シ−トをスクリュ−・ピトンの保護ケ−スとして
使用するのも着脱が容易で、軽く扱い易い。実際の現場での使用では、最もクライミング時に、影響を受けやすいスクリュ−先端部の、鋭利な刃先を
保護する目的で使うのには『キヤップ・タイプ』の、保護カバ−が必要品。
『グリベル・ヘリクス』では、保護キヤップをハンドル部にも付けられるという
実用的なアイディアを採用していて、他の製品には見ない工夫が目立つ。

表面が軟弱な氷質にも、抵抗力を発揮するようにフック形状に加工を施した『フック・ピトン』も登場しているが、改造品として一時期、雑誌に公表され
た『フック・ビトンのピック部分』を『セミ・チュ−ブ形状』に変えたアイス・ピトンは市販品としては、世に出なかったが現在でも開発・製造されれば、使用するクライマ−は存在している。

厚みのある氷に有効な『プロテクション』は、ある程度の完成領域に近ずき
つつあるが、薄い氷・シン・アイスで最大の効力を発揮する用具は、未だ
誕生していない。
改良が進んでいる『ブラック・ダイヤモンド社』の、新しいスクリュ−・ピトンは、より
効率的に、かつスム−ズに氷にセッティング出来る様に『先端部の刃』を以前の
タイプよりも、深く鋭利に改良している。回転式ノブの形状も、改良してサイズ別に
認識し易いように、色分の工夫も取り入れている。

以前は直射日光を吸収する『黒色塗装ハンガ−』を、各社が採用していた。より
安全にと考えれば、BD社が今回はハンガ−部分の塗装を変えたのは正しいと
個人的に思えた。『可動式のハンガ−/ハンドル』には、各社・様々な形状と工夫
の違いが見られて、どのタイプが最も実用的かと断定するのは難しい。ある条件下
では機能が完全に発揮できるが、他の条件では逆に使い難いという場合もあるの
で、使用者の体験量や好みという部分でも、意見や感想は別れるのが当然。
個人的には最少の付属ノブと、収納時のコンパクトさ、で『最新のBD製品』が好き
だが、『シモン』の可動ハンガ−が、最も使い易いと気に入っている。
選択の条件は『セッティング』の、容易さなので刃先のデザィンや材質、総合的な
判断が大切。各種の違ったメ−カ−の『アイス・ピトン』を組み合わせて使うのも
長さという部分も考慮して、何を、どれくらい使用するかの判断しだい。
高価な用具であり、刃先を痛めるリスクも考えれば予備の数量は微妙だ。
当然ながら、数が多ければ、より安全が確保されるが、達成感や冒険的な体験を
得る機会は少なくなる。『アバラコフ・アンカ−』を使える事が重要だ。
『フック・タイプのピトン』は主に、補助的なプロテクションとして使われることが多い。原形は『韓国製』からだが現在では欧州メ−カ−と、BD社の改良モデルぐらいしか、選択できる製品は無くなった。
『打ち込みタイプのワ−ト・ホッグ・タイプ』の、アイス・ピトンは90年代から徐々に使用者も減り、機能面で改良が進んだ新たな『製品』は、殆ど登場しなくなって来たが、復刻タイプと呼べる物は最近になって販売されているオリジナルの(旧)シュィナ−ドが生み出した、高品質な製品を越える物を見ないのは残念だ。
最新の『アイス・ピトン』の多くが、製造過程で先端部を精密に削り出して、非常に正確な角度で鋭利に仕上げてある為、以前のように購入後にクライマ−が改造を施すという方法は、薦められなくなって来た。

使用後の磨耗や、氷以外との接触での先端部の変形を手作業で、復元さすというのも困難で何らかの修復作業が必要な場合には、細心の注意が必要となる。

管状(パイプ)タイプの多くの『アイス・ビトン』での、パイプ内部の加工も現在では非常に滑らかに製造されているので、新品状態での改造や塗装の必要も無い。特に、パイプ内部の氷の除去に金属製の用具を無理に使用しない方が良くて、内部表面に傷を付けない様にも注意すべきだ。
メンテナンスとして『シリコン系のスプレ−』を使用する場合にも、種類に注意が必要で防錆効果の高いスプレ−の中には、粘性を持つものが含まれているので『アイス・ピトン』の持つ、必要特性を疎外する場合もある。
各種クライミング・ギア類の『メンテナンス』で、主にキャメロットやエイリアン、そして代表格のフレンズ等の機械式カムの内部に少しずつ、付着したりバネ部に入り込んだ『泥や砂』微小な塵を、洗い流すのには購入の簡単な『ガソリン』を、洗浄液として利用する方法もあるが、大抵のクライマ−は、市販品で入手しやすく扱いの簡単な『洗浄スプレ−』を利用する者が多い。御薦めは、エレクトロニクス関係のプリント基板のハンダ加工時に使用している、フラックスを取り除くのに使用される『洗浄用スプレ−』で、使用後に同じく広く流通して、使用者が多い『CRCスプレ−』を利用する。続に『湿式潤滑』と、呼ばれる金属同士の摩擦を軽減さす『メンテナンス法』だが、アイスピトンに使用するには、別の方法が良い場合がある。

『カムのバネ構造』とは違って、金属の摩擦を軽減さすタイプとは異なる『スクリュ−・パイプ・ピトン』等の、パイプ内部に侵入する『氷』を、よりスム−ズにパイプの中に侵入させるという考え方で、使用後の氷の除去も容易になるので『メンテナンス』を行う、価値は充分にある。この場合は金属同士の摩擦という、関係とは違うので
『湿式潤滑』とは異なる『乾式潤滑』に、優れる『テフロン・スプレ−』を使用した方が、効果が高まる。
金属表面に『テフロン加工』を、膜として施す理屈だ。以前には氷の詰まった『パイプ・スクリュ−』を、先端部が鋭利な針金状の棒で、つついて除去するという方法や、専用の用具も使用が薦められていたが、個人的には氷の除去時に、どうしてもパイプ内部に傷を付けてしまうので、最終的には余計に氷の除去が困難になり、逆効果だと思えていた『テフロン・スプレ−』の使用位が、購入後に一般的に利用できる、メンテナンス法法だろう。同じ様な、理屈で『スプレ−式の金属用・塗装』を試したことがあったが、市販品で効果が実証できた『塗装材』には、出会っていない。特殊な製品なら、効果を発揮する可能性はあるかもしれない。
『ハンドル/ノブ』にサイズ別の色分を施す工夫は、他の製品にも簡単に応用利用できるので、多くのクライマ−が工夫している。
70年代『装備と用具』での挑戦を思い出せば
『冬季登攀』というジャンルが現代の『アイスクライミング』の、前で存在感が薄くなり出したと感じているクライマ−は少数派なのかもしれない。
純粋な『アイスクライミング』の対象には、利用価値が減ってしまった打ち込みタイプの『アイス・ピトン』の、代表格が『ワ−ト・ホッグ』類の打撃で打ち込み、回転させて引き抜き回収するタイプの硬氷にも使えるが、日本的な凍結した苔や泥や土(草付)にも使える『アイス・ピトン』で、これ以前の打ち込みタイプの製品と違って、応用が効くという利点は今・現在でも必要とされるクライミングは存在している。

国産の類似品は個人的に『強度面』で問題が大きく、再販されても購入意欲はおきないが『旧・シュィナ−ド』や『サレワ・モデル』ならば、利用したいと考えるクライマ−はいると思われる。現在では、こういった場面で『フック・タイプのピトン』ぐらいしか、選択肢が無いというのも寂しい。