『ヨセミテ・スタイル』のチュ−ブ(テ−プ)を肩から斜めに、かけて脇下にカラビナ等の『クライミング・ギア』を吊るして携帯する、方式・用具はクライミングの歴史の中では、最も古くから使われていた方法で『レビュファ−』時代から、フランスのクライマ−は出回り始めた『クライミング・テ−プ/アノ−(仏)』を、使い始めていた。それ以前はクライミング・ロ−プその物を結んで、輪にした『ロ−プ・スリング』が、使われていたが重い用具を、携帯するには不充分な機能であったことから身体、特に首から肩にかけて当りがロ−プより幾分は良い、幅広の『テ−プ/チュ−ブ』を、使うクライマ−が増え出した。

クライマ−が大量の各種『クライミング・ギア』の、使用を必要とする課題に挑戦し出すと、ハ−ネスにギア類を吊るす、専用の機能が考案されて、主に『シット・ハ−ネス』での、重量物の携帯ポィントが理に適ったギア・ラック機能と成り出したが、一部(欧州ドイツ範囲)のクライマ−&アルピニストは、伝統的にハ−ネス(安全ベルト)として、胸(チェスト)タイプの着用・使用が普及しており、そういった方式の『ギア・ラック&ハ−ネス』も、古くから本格的な岩壁でのクライミングで、使用され続けていた。まるで『ザック』の様に両肩に均等に重さを、分散させて『クライミング・ギア』を、両脇・下に吊るして携帯するシステムは、かなり古くから多くのクライマ−が工夫していたシステムで、厳しいペグ・ル−トや巨大なオ−バ−・ハングの突破が挑戦するクライマ−に、独自の技術と用具システムの工夫を要求していた、イタリア・ドロミテ等のクライマ−は、上手に胸(チェスト・ハ−ネス)と『ギア・ラック』を、組み合わせた用具を使用していた。

クライミングの歴史を、何でもフリ−・クライミング尊重で、基礎的な部分を『アメリカ・カリフォルニア発信』に、しておきたいらしい人達は、この種のアルピニスト/クライミング系の、古い時代からの技術・用具・原初的なフリ−クライミング思想と、実践記録を軽んじているのか、知らない人達が多く、この種の用具も『ヨセミテ・タイプ』からと、勘違いしている人もいるようだが、実際は違う。
big wall rack&chest harness
欧州クライマ−の使用例を知って、私もクライミングを始めて間もない頃から、市販の25mmテ−プを縫い合わせて、自作した単純な『Wギア・ラック』を使い続けている。初期のタイプは国産品のシヨップ・オリジナル製品なども70年代には、流通していたが使用者が、多い用具ではなかった。

9mmロ−プを並列に並べて『胸用ベルト方式としたチェスト・ハ−ネス』が、登場した頃の『エ−デル・リット製品』を使っていた頃にも、両脇下にギア類を吊るすシステムの、利点に気が付いていたが、完成された用具ではなく、『シット・ハ−ネス』が、考案・製品として流通する以前の通過点・的な用具で、墜落時の安全は保障されていず、短い試用期間の後に、消えていった。

『英国トロ−ル社・ウィランス・タイプ』の『シット・ハ−ネス』が、広くクライマ−に普及して、同社から続いて発売された『チェスト・ハ−ネス』から、影響を受けた各社が同様・に、通ったタイプの『チェスト・ハ−ネス』を造り始めてから、選択肢も増加。『ギア・ラック機能』も改良されて、実用的な『クライミング・ギア』としての評価も受け出して、使用者も増えた。『シット・ハ−ネス』単体でのクライミングを、盲目的に信奉しチェスト・ハ−ネスとの組み合わせによる、安全性・確保に無頓着・利用の普及が進まなかったのは日本ぐらいで、欧州圏のクライマ−は、厳しいクライミングでの『安全性・確保』に『チェスト・ハ−ネス』の利用は必要だと、充分に理解していた。何故?日本のクライマ−に使用者・理解者が、極端に少なかったのかは疑問だが、後の『ヨセミテの新しい波/ニュ−・ウェ−ブ』意識の流入からは、シンプルな用具と装備での『フリ−クライミング』スタイルの影響で、腰部『スワミ・ベルト』に、代表される簡略・単純な『ハ−ネス』使用が流行って、ますます身動きがし難く、用具が増えてしまう『チェスト+シット・ハ−ネス・システム』は、日本国内のクライミングで普及しなくなった。
同様に、チヨック類に代表される『クライミング・ギア』の利用が増えても、ヨセミテ・スタイルの『ギア・ラック』方式を真似た『肩かけスリング』が流行して、更に使用ギアが必要になっても、両肩に同じ様に『ギア・ラック』を使うだけで、機能的な『チェスト・ハ−ネス・タイプ』の、利用者は増えなかった。
強度的には『チェスト・ハ−ネス』としては、使えないが個人的な使用感と、非常に軽量でコンパクトに収納できる点で、20数年間この同じタイプの『チェスト・ギア・ラック』を、買い換えながら愛用しています
(上・下)共に、私が長期・使用している「お気に入りギア・ラック」デコレ−ションは、手縫いのチロリアン・テ−プ(インタ−ラ−ケンに専門店があり、そこで毎回・大量購入)装飾?磨耗からの、保護カバ−の役目も考慮しているが、基本は他のクライマ−と、違う物を使いたいから。

使用品は『トロ−ル製品』から、始まって各社・様々な種類を使って来た。最近は『コラド』が、気に入っている。単純な『ギア・ラック機能』のみの、軽量タイプと『シット・ハ−ネス』と、組み合わせてフルボディ・タイプの『ハ−ネス』として機能できる、本格的な『チェスト・ハ−ネス』まで多種。それぞれに、何らかの工夫・改良を加えてあり、『ソロ・クライミング』では、絶対に必要な用具として、現在も工夫・研究、市販品の改造は行なっている。
『jirat』のシングル・ラックを2本・組み合わせて細部を自分の身体サイズに完全に適合するように組み合わせて改造・製作した『Wギア・ラック』重量を軽減し、肌に当る部分も柔らかいフリ−ス生地で愛用品。同種の市販品より、はるかに安価に造れる。収縮・機能に工夫を施してある
市販・流通品として人気のある『ブラック・ダイヤモンド社のゾディアック』サイズ構成が一つなので、必ずしも誰にでも使い易いとは思えないが、標準体型のクライマ−には問題なく使える。新タイプは遅れたがハイドレ−ション機能を持った、小型パック・タイプも登場している。肌への当りも柔らかいが、個人的には全く調節システムが無くて『ワン・サイズ』と言うのは、小柄な女性には使い難く、ギアのラック機能にも幾分・不足感を持っているので、愛用品とまで呼べない。改造してあるのは言うまでもない事だ。
愛用している『ソロ・ディバイス』各種・用具類との使用・感覚。そして長時間の高所作業や『レスキュ−』活動や、それらに伴なうガイド業務で長時間の使用で、一定の満足を覚える『製品・特にチェスト・ハ−ネス』は少なく、幾つものメ−カ−品を使って来たが、これが最高と呼べる物は非常に少ない。まだ他のクライミング関係の用具・装備類の中でも、改良・発展が必要な『新化系・用具』の、一つだろう。
非常に柔軟で軽量な『テ−プ使用』で、扱いやすいのだが実用面で少しテ−プ幅が狭く、長時間の厳しい使用環境では、重要ポィントである加重が最も集中して、かかる箇所のテ−プが弱く、不安定だったので防水加工済みの磨耗に強い、コ−デュラ生地を重ねて縫い合わせて補強・改造を施してある。

左右の肩位置を、判別し易いように色を変えてあるのは『TV業務』等で、レポ−タ−やタレントさん達の様に、この種類の装備の使用経験が無い人達にも、使い方の説明がし易く、相手に理解されやすいようにとの配慮から。これと同一の改造モデルに肩パットに薄い断熱材を封入した物は数個・製作改造してある。『キッズ・モデル』にも、同じ改良・改造を行なってある。
最近では『チェスト・ハ−ネス』の必要性や安全・使用を薦める声が、少なくなって来たので良い『製品』を選択・購入するのが難しいが、意外と国産品に優れたモデルが存在している。ギア・ラック機能には不足を感じるものが多いが、少し工夫・改良すれば問題ない。
ロ−プとのタ−イング・ポィントは最も消耗する箇所なので、予め補強を施しておくと良いでしょう
ある程度・損傷・磨耗して来ると『使用は停止・コレクション入り』
『チェスト・ハ−ネス』は不要と断言する人達も、いるが必要性を認めないという事は、必要な環境のクライミングや活動の経験が、無いと言うことでしょう。私ならば『クライミング・スク−ル』で、生まれて初めてクライミングを経験するという人には、必ず『チェスト+シット・ハ−ネス』の使用が活動の前提。安全性の向上と確保は絶対的に必要だから。

『ラッキング』に関しても、一つの『技術』として考えるべきで近代的な『ダブル・ギア・スリング』の必要性と快適性を考慮すれば、ある種のクライミングからは必要不可欠の『用具・技術』として、考えておくべきでしょう。最近は自作や改造の手間が不要な、良い製品が販売されています。
    『ミステイマウンテン社』から、発売されている『ビッグウォ−ル・ギア・スリング』=推薦品
同種の物は、『ミスティ・マウンテン』から発売されています
多分?日本国内には、未入荷な『フランス・シモン社』の、非常に軽量なWギア・ラック。通気性の良いパット入りで、少しテ−プ幅が、他社の類似品と比較して狭いが使用感は良かった。調節機能は細部まで、良く考えられていて軽量化が必要な、アルパィン・クライミングで使い易い。(ハ−ネスとしては、使えないタイプ)
『フリ−ス・パット゛』の製品を使っている、クライマ−が多い
実践的な『ネイリング・ル−ト』に、同行した方かに希望されて『A5』のWギア・ラックを譲ってしまった。
似たような、事で欧州で購入して来た珍しいモデルも人に譲った。この種の『用具』で、希望している範囲で良い物が、日本では簡単に入手できないのが理由の一つだ。
2013年 これまで使用する機会の無かった『TRANGO』から、出ている『ダブル・ギアラック』を購入、アイスクライミングから使用し始めた。同時に、このメ−カ−も、これまで使う機会が少なかった『WILDCOUNTRY』の最新・最上級モデルの『シンクロジップロック/シット・ハ−ネス』も購入し、使い始めた。