製作・準備中Tuesday, January 30, 2007
『パック/ザックを背負っての、クライミングが基本スタイル』
小学校・4年生の時に初めて、背負った綿布製の小型『キスリング・ザック』から数えると、山で使った『ザック』も軽く、60個は超えているだろう。『旅』で使っていた、『フレ−ム・パック』に背負子や、特殊な『パック』の数を加えると、いったい幾つの『背負える道具』を、使って来たのか判らなくなる。
古風な綿布に、皮製の締めバンド。濡れると重く、黴にも注意が必要で、今から見ればお世辞にも背負いやすい『デザィン』でも、なく不恰好な『形』だが、このタイプのザックから私のクライミングの経歴と、山での記憶は始まっている。
友人から『登山史・関係』の、展示・企画への物品・貸し出し、依頼が
寄せられる。木製の年季・物の『背負子』や、銘品と称される古典派
からは、羨望の眼差しが向けられる『ピッケル』とか、この種の『ザック』
に近い、私のコレクション・ザックの出番も多い。
『モミツ・ブランド』の、純正・神戸『物』の、オリジナル・ザックの愛用者を山で、見なくなって久しい。
『ズボラ・ザック』の、愛称で私達が愛用していた、あの『ザック』は、国産品としては時代を先取りした機能性や、当時としては他に例を、みない優れた背負い心地が秀逸な山道具の一つだった。

私が作って貰った、『パネル・ロ−ディング・システム』と全く同じ、タイプのクライミング用ザックや『カリマ−』から発売されていた、『ハウリング・ド−ム』を、すっぽりと被せて、組み合わせて使っていた『円筒形ザック』も、今から見れば最新の『メトリウス・ホ−ル・バック』と、基本デザィンに大きな、違いが見えないのだから、『吊り下げ式テント』と共に『トモミツ氏』の才能には驚かされる。
カリマ−の『ジョ−ブラウン・モデル』と
サレワの『モンブラン』に、同じくサレワ
の綿布製の小型ザック4種類を、高校生
の頃から、アルバイトでお世話になってい
た店の当時・店長『貫野氏』からの薦めで
購入して、約20年間は使用。

特に、サレワの『モンブラン』は当時として
数少ない、背面にフレ−ム内蔵の画期的
なクライミング向きザックで愛用。
この頃のフレ−ムはホワイト・アッシュの
単純な細板フレ−ムだった。
木製のフレ−ムを見たのは、これが最初で
最後の製品。
昭和30年代の、キスリングザックは御世辞にも頑丈でも無ければ、背負いやすい山用ザックとは言えなかった。
私達の世代が、最初に背負う物を持てたのは通称のナップ・ザックみたいな、とてもチャチで今から見れば粗末で、使い難い背負い袋からだ。
キスリング・ザックは小学生には大き過ぎて背負い帯も硬く、本当に肩が痛む用具だったが、ほかに選択肢は無かったし、ナイロン地の本格的な登山用ザックを手にするまでには時間が必要だった。

中学生の終わり頃に、国産のアタック・ザックを手に入れた。天蓋に日の丸マ−クが縫い付けられ、時代を感じる用具だった。
18歳の頃に、国産品を使うのには強い抵抗感を覚えていた。キスリング・ザックや国産の不細工なアタック・ザックを使っていたので、縦長で本格的なクライミングに向いた、そして当時のアルピニストが使っている欧州タイプのザックに憧れが強かった。

『アタックザック』と呼ばれ出した、最も初期の海外製品の中で私が初めて、購入したのはサレワの2種類の
ザックだった。1つは今なら『中型モデル』の範疇に入る『サレワ・モンブラン』で、当時の手持ちの装備ならば
数日間のビバ−クで、活動するクライミングでも容量的に不足を感じていなかった。
同時期に購入した『サレワ・グランシャルモ』これは、小型ザックに分類されるサイズだったが、穂高での涸沢からの日帰りクライミングで、容量的に不足も感じていなかった。手持ちのギア類も、最小限であったし現在の様なチヨックやカムも、僅かな数しか持っていなかった。綿布製で底部は革で、補強されていて背負いパッドの構造も、いたってシンプルな1本締めタイプで、当時としては機能的でバランス的にも使い易かった。
仲間達は、オリジナルのコピ−・タイプの国産モデルの使用者が多かった頃で、滝谷や前穂高の岩場での
クライミングは、大抵このザックを背負って楽しんでいた。
高機能で丈夫な、化学繊維の登場以来、木綿(コットン)生地を使って部分補強に本皮を使うようなタイプの
ザック類は、クラシカル趣味の登山者やブランド商品が、好みの旅行者ぐらいにしか需要が無さそうだが登山
用としての、これら旧型・古典派の使っていた天然素材を使用した『ザック類』にも、まだ愛用者は残っている。
極細の木綿糸を、緻密に織りあげて一枚の「布」に仕立てて製造された生地は、木綿の繊維を構成している
セルロ−スが、水分を含んで膨張して織目は、水滴よりも小さくなり水分を通さなくなる。現在の進歩して化学
繊維が、ようやく手に入れた機能をメソポタミア時代から人は利用し、様々に利用していたのだから驚かされ
初期の登山で、この素材が『ザック』に使われた事を、理解出来る。そして、磨耗にも強くクライミングの様な
活動で、鋭利な花崗岩に擦れても、壊れない丈夫なザックも誕生して来た。この種類の古典派に属する用具
を使えていた事を、今では感謝していて登山の中での用具・装備の歴史を体験から知りえた事は幸い。
同時期に『カリマ−社のジョ−ブラウン・モデル』と、少し前から『フランス・ミレ−社・製品』のザックも使い始めていた。カリマ−のザックは一世を風靡した、当時のクライマ−に非常に人気が高かった本格的な『クライミング・パック』で、その後に、このモデルから似たタイプが各社から続々と発売される。最も初期の『ブラウン・モデル』は基本形のサイズや機能は同じだったがナイロン生地ではなくて、本体が木綿で作られた丈夫なタイプが発売されていて、私も最初は初期モデルの使用者だった。