1940年代には、現在でも充分に機能面で通用する『岩壁でのビバ−ク用・装備』としての『軽量・簡易型のテント』が、イタリアやドイツでは使用されていた。『ツエルト』と、呼ばれる事の多い日本だが初期の入荷時に、ドイツ語圏の影響を強く受けていた『日本の登山史』特に、戦前・戦中の親独・傾向が強かった時代の、名残を残していると思えば良い。同じ様な『例』は『シュタイク・アイゼン』を、簡略して、呼び習わす『アイゼン』や、『ザック』等の、名称・利用に色濃く残っている。
本格的な『防寒・防水、仕様を施した初期・同型テント』を、岩壁での積極的な『ビバ−ク』で使い易いように、小型化・軽量化した、薄いナイロン生地で作られた『ツエルト』基本形は、今現在・一般的に日本国内で流通している、様々なモデルと殆ど同じだ。夏季にも氷河・環境が存在していて、標高から日本の山岳とは違って『降雪』が、在り得る『欧州アルプス』での使用が前提なので、出入り口の形状は『巻き込み方式の、冬季仕様』日本で、一般的に使われている、フルシ−ズン使用が想定された、『ジッパ−方式』のタイプではなくて、凍結しても問題が少なく「ジッパ−」の、損傷で不便も生じない「シンプル」な構造を採用している。
幾つもの「オリジナル的な発想」と、実体験の厳しい『ソロ・クライミング』から得た、インスピレ−ションと創意工夫を具体化して、当時の日本人クライマ−としては、特に「クライミング・ギアと装備」に関わる、様々な新規・考案・用具の製作にも積極的だった、プロガイドとしての先輩『故・長谷川、氏』は、冬季の北壁での過酷な、ビバ−ク装備やクライミング・ギアの、それぞれに他のクライマ−とは異なる思想と塾考した、アイディアを含んだ製作品を、まずは自分の『ソロ・クライミング』の、為に造り出していた。

ハンモックと「ツエルト」を、ドッキングさせたような『ビバ−ク装備』は、当時・他と比較できる「装備」でもなくて、大きな評価を得られていなかったが、実際は『一点吊りハンモック/バット・ハンモック』から『ポ−タ−・レッジ』へ移行し出す以前に生み出された、当時としても画期的な『用具の一つ』類似タイプが無い状況での、考案・製作・使用という部分に、凄さがある。
(下・資料写真)は、近年の「バギラッティ」でのウォ−ル・ビバ−クで、使用されている『長谷川タイプ』に酷似した『ハンモック+ツエルト』
『リッジレスト・マットレス』全面に凹凸・形状に、ひび割れを防ぐ縦横の補強を施した、独自の構造を持った、代表的なフォ−ム・パッド・マットレスとして、人気が高い『カスケ−ド・デザィン社』の、マットはクッション性が良くて、パンクの心配は不要。私達が山を始めた頃の、折畳み式の薄く、断熱性にも乏しく、表面素材もビニロンや綿布で氷結してシュラフが滑って、使い難くかった物と比較すると格段の進歩。途中、カリマットの愛称で愛用者が多かった、黄色の『ロ−ル・マット』の不満点も解消し、ビバ−クの場所も選ばず、最も軽量で実用的なキャンプ&岩場でのビバ−クで使える『用具』として、今現在でも利用者は多い。
『リッジレスト・デラックス』キャンパ−使用に適した『トレック&トラベル・シリ−ズ』の、リッジレストよりも0・5mm厚みを増やし、断熱性能が高い『クロ−ズドセル・パッド』として、最近のフォ−ムパッド各種と比較しても、最も機能性と使用感の良い『パッド』このタイプに多い、平板状の物よりも絶対的に凹凸パタ−ンは雪面での使用に適している。ウォ−ル・ビバ−クで安心して使える。

ザック本体の内部・背面側に出し入れが自由な『パット兼用のマット』を、挿入すると言うアイデイアは意外と
古くから採用されているが、幅も長さも本格的な寒冷地での『マット』として使用するには、少し心許ない。
緊急時のビバ−クや、メインの『マット』と組み合わせて使うのには、とても良い付属品なのだが材質面では市販品に、これが格別に良いと思える物は少ない。
アメリカでは『フォ−ム・マット』の愛用者は多く、暑さ5mm程度の『エバゾ−ド製マット』は、バックパッキングやクライミングで長年、使用されて来たが体重差を考えて、必要な部分の厚みが変えられていない部分に不満は大きかった。『エア−・マット類』が普及していた、日本では『フォ−ム・マット』に良い製品が長らく無かったが、素材自体に滑り止め加工を施したり、必要な箇所でマットの厚みを変えるという、アイデアに関しては、ごく一部だったが欧米製品よりも前に、幾つか今ならば使用者からも指示されただろうと考える、良い製品が出ていた。
岩壁での『ビバ−ク装備/シェルタ−・ツエルト』
エスケ−プが困難で、現実的に安定したビバ−ク・ポィントを使用できない複雑で困難な『ゴルジュ地形の真っ只中』や、緊急時対応で負傷者を垂直から急傾斜の斜面を、ロ−プ牽引や引き上げシステムを使用して、搬出・救助したり緊急避難を行う場合に、軽量で嵩張らない『バットハンモック』や、それに類する装備の使用が、これからは必要になるかも知れない。

実際、キャニオニングの現場では渓谷内での積極的な『キャンプ/ビバ−ク』が、連続的な滝からゴルジュで行われ出していて、タ−プと簡易シェルタ−、ツエル類では、安全が確保されず、スペ−スの問題でビッグウォ−ル・タイプで、渓谷内で使用しやすい、個人装備として、このタイプを私は再び使い始めている。
穂高岳の『明神2・263m峰、南壁』では、よく仲間達と当時はネット・タイプの『ハンモック』を使用したビバ−クを楽しんで?いた。数本のル−ト開拓は、ビバ−クの為のビバ−クの様な、ある種のトレ−ニング的な活動だったが、年々と装備も進化して行き『バットハンモック』の改造・改良品を使うようになってからは、冬季にも積極利用できるように鍛えられていた。保温用マットを底部に、予め縫い込んだり、ベンチレ−ション・システムを付け加えたりと、仲間達と意見や経験を交換しては、実際の『ハンモック・ビバ−ク時』に、次ぎの改良点などを話し合っていた。
関西では『小太郎岩』の、大ハング下での『ビバ−ク』は、毎年の恒例行事の感があった。わざわざ、関東から遊びに訪れてくれた、仲間達を誘って『壁でのビバ−ク』を組み込んだクライミングも楽しかった。
フォ−ル・バック・タイプのDAXオリジナルのザックは、故・長谷川氏からの頂戴品。コッヘルは森老師、カップは同じくガイドのH氏、ツエルトも、廻り回って私が頂いたDAX製品。
最初に購入した『トロ−ルのバット・ハンモック』は、芦屋で実施した『テント・カ−にバル』で、OCSの林君が乗って、破いてしまった
(笑える、昔話)の、ひとつ、になってしまいました。