一般的に知られ、使われている『ステップ・ラダ−・タイプ』のエイド・ギアとは基本システムが異なる直接・足を踏み込んで体重を預ける『アブミ』だが、使用範囲は限定される。かなり古くから考案・使用されていた『クライミング・ギア』で、初期のタイプは前傾タイプのハング壁でのル−ト開拓・作業で、普及している通常の『ステップ・ラダ−』よりも、腹筋の苦痛も少なく、より高い位置に『支点・設置』が、可能となる利点が評価されて、ごく限られたクライマ−が実際にクライミング(ル−ト開拓)で、利用していた。

日本でも、自作してル−トでの使用を報告していた京都のクライマ−が、いたと記憶している。
1970年代に精力的に『エイド・クライミング』の新しい、技術面での飛躍と開拓を目指しているクライマ−ならば、別段・地域を問わず同じ様な、要求で発想・考案したであろう種類の『エイド・ギア』の、一つ。

私も、当時・市販されていたテ−プを機械式ミシンを使って、縫い合わせ『フイフイ』やCMI社・製品の『デイセッダ−・リング』を組み合わせて、数種類のセットを造り上げて黒部「奥鐘」や、穂高でのル−ト開拓クライミングで使用していた経験があったが、垂直から前傾までの岩壁・傾斜には充分に対応できて、それなりの『用具・効果』を感じたが、ル−フ・タイプや多段ハングでは、結局は通常タイプの『アブミ』が、必要で重量的な問題と、一つで足りる『用具』を複数、持つ不便さ・無駄から使用しなくなった。
岩壁に設置された、支点と支点を移動する『エイド・クライミング』
で、通常の『アブミ』と同じ様にも使える。
フイッティングは、すこぶる快適だが通常の『アブミ類』と組み合わ
せて複合的に使うのには、やはり邪魔な用具と言える。
『膝裏に体重を分散・保持する目的のテ−プ』を付け足した、二つ目の自作モデル。
このタイプの『自作エイド・ギア』を左右、使用して『ロ−プ・スリングにデイッセンダ−・リングを6個』取り付けた『アブミ・タイプ』のギアと組み合わせて『ル−ト開拓/主にピトン・ボルト打ち』で使用していた。

製作・初期の『タイプ』は、1970年代の前半期。家庭用ミシンで縫い合わせて作成していた
過去の『クライミングの歴史』の、中で約30年間ほどの期間、世界中で最も『フイフイ』と呼ばれる、この補助用具を多用・愛用していたクライマ−が多いのは、間違いなく日本だと思われる。

以前ならば、クライマ−の『シット・ハ−ネス』には、必ずといって良いほど、この小さな補助用具が、ぶら下がっていて、使い方も未熟で、必要も無いのに取り付けていた為に、引き起こされた『無用な悲劇』事故も引き起こした「用具」だが、使用方法に関する記述や意見・指導は限りなく、多いのに使用を否定する意見や考え方を、殆ど見る事は無かった『特殊なクライミング・ギア』実に、様々な種類が製造・販売されていて改造品や、自作モデルも加えれば、数十年の間に、どれだけの数の似た用具が、誕生して来たのか判らない。

初期の『特殊タイプ』は、使用方法から考察して、何故?『セィフティ−・フイフイ』と、呼ばれていたのか理解出来なかった、不意に外れるのを防ぐ『カバ−付きフイフイ』一部に、荷揚ザックのロ−プとの固定に推薦されていた。特に『ソロ・クライミング/単独登攀』で、使える・使うクライマ−の用具として説明されていた記述が一時期、数多く見られた『クライミング・ギア』の、一つだ。
(右・写真)ドイツ・サレワ社のフィフィ
『右端/グリップ・フィフィ』
支点のピトンやボルト・リングに、かけやすかったが
外れやすいという、欠点もあり普及しなかった。

初期のモデルから「サレワ」は、幾つものフィフィを
製造していたが、後に取り付けるスリングの長さを
自由に調節できる『モデル』を考案して、そのフィフィ
の使用者は一時期かなり多かった。

国産でも、同じ様な『調節式』フィフィが幾つか造られ
出回っていたが、機能面で特別・優れたモデル・製品
は誕生せず、シンプルなタイプの利用者の方が多かった。
数種類の『グリップ・フィフィ』を使って来たが、最終的に個人的に長く使用していたのは(下・写真)の
単純な形状の物だった。スチ−ル製の丸棒を曲げただけのシンプルな用具だったが、意外に使い易かった。欠点は、重くて、錆びやすい事だった
誰が、何の為に考案・製作して市場で販売したのか?チヨックの普及も一般的となり、各社から様々なタイプの新しい「チヨック類」が日本国内で、充分に手に入り出した頃に、僅かな期間だが市販されていた国産品。リング・ボルトやRCC型ボルトにしか、適合しない『ドリル径』に一致した用具で、エイド・ギアとしては何か中途半端で、フリ−・クライミングで使うのには、チヨックとしての機能はは疑わしく、購入しても実際に使っていたクライマ−は、いなかったのでは。

結局、私もゲレンデ的な岩場で数回、使用しただけで積極的に、この用具を使う場面に出会わなかった。
ドリリングで空けた『穴』に、回収可能なボルト以外の他の用具を使うという『発想』は、過去から幾つかの用具を誕生させて来たが、使用には、やはり論理的な面での抵抗感が強い。私も、これらの用具が本当に、クライミングで必要な用具で、使用して良い技術なのか、疑問に感じている。
『スパゲッティ−』と称される、ロ−プ操作の不出来さは
未熟か、散漫な性格を表すクライマ−への、評価表現。

そんな『スパゲッティ−』みたいに、ロ−プを絡ませて
ゴチャゴチャだと、登れない。

垂直の壁中で、窮屈で苦しい『ハンギング・ビレ−』の最中
には、何とかロ−プを簡単に整理したいと望むものだ。
そういった時には(右・写真)の、簡単な用具が役立つ場合
も、在り得る。
ただし、あれば便利で使えると有効だが、使う為には
やはり、ロ−プ操作に慣れていて、ある程度の面倒さ、
システムに慣れていることが基本。

私は愛用しています。

他に、機能は似通っていてロ−プを、かける部分が金属製
の開閉・リングといった種類も登場している。
様々な状況で確実な
バック・アップ機能を、発揮
する、最新・用具。
『専用のシヨック・アブソ−バ−・スリング』
『ロ−プ・ワ−ク』には我慢と忍耐そして、集中力も必要
雑な『性格』いいかげんな『技術』は、スム−ズで安全
な、クライミングの『疎外要素』ごく、単純な『振り分け』式
システムから、使い慣れる必要がある。
過去の『クライミング系・情報』での引用・利用が
最多な『テキスト/教本』ロイヤル・ロビンス著書
の『AdvancedRockcraft』からは、現在も有益な
技術・情報が得られる。

古典的だと思われている『チヨック』関係での様々
な応用テクニックや、エイド・クライミングでの技術
に関しても、読むべき項目は多い。

『Lowe CAM』の、シンプルなアングル・ピトンと
ワイヤ−の組み合わせプロテクション等は、今現在
でも、ワイヤ−・ストッパ−が使えて、利用価値は高
くて、最もシンプルで素晴らしい技術だと思える。
『スリング・ノット』を、一種のチヨックとして使用する方法は
現在でも、実際に使用されている技術で、緊急時に利用する
知識としても、一度は実際に使い方を体験しておいた方が良い
かも知れない。

条件によっては、非常に有効に使える時もある。
クライミグでの『グロ−ブ/手袋』の、使用は一時期のエイド・クライミング全盛期に5本の指を出した、皮製のグロ−ブが流行っていたが、確保の為の必需品と言う、意味合いはクライマ−の常識・知識と現場使用という範囲では、広く普及したと言い難い。

理由の一つには、フリ−ライミグでのチョ−ク・パウダ−使用との、兼ね合いでグロ−ブは明らかに邪魔で、相互の使用は適合せず、進化・改良が進んだ『確保・器具』の登場により、ある意味で、グロ−ブ使用に対する心理的な切迫感・必要感が急速に、薄れてしまい『グリグリ』に、代表されるクライマ-側の確保に関しての、手練・技術的な練習を、不要とまで思わせる、誤った感覚や雰囲気が、更に確保での危険性も、心理的に和らげてしまい『摩擦熱から保護』する、専用のグロ−ブの必要性を認識しないクライマ−を増やしたのだと思う。
これまでに『クライミング・グロ−ブ』と呼ばれて、市販されている各種・各タイプの5本・指が出せる『グロ−ブ』を、10数個は購入使用して来たが、個人的に耐久性で満足いく『物』は一つとして無かった。(上・写真)の、耐久性に優れていて、かつフイット感覚にも満足いくグロ−ブは、クライミング用ではない他のジャンルのグロ−ブを改造して使っている、愛用品
『厳しい、ロング・ル−トでは必要品』
2007年、以前にオ−トバイ用品の中から、主に「オフロ−ド・タイプ」から使い古した物をクライミングに流用していた。最近は、バイクに乗る時間も少なくなり、毎年の様に交換・購入していたバイク用のグロ−ブも、意外と安くないのと、やはりクライミングで使うのには、耐久性で不満が大きかったので(上・写真)の、クライミング時の確保・専用に販売されている『メトリウス社・製品』を、使い始めている。

ロ−プが擦れる、最も磨耗が激しく耐久強度が必要なグリップ部の、補強革が手の甲側まで、巻き上がる形に縫い込まれていて、他のグロ−ブの様な弱さが無くてラックし易いように、丈夫なカラビナ・クリップにも適したル−プも、予め付けられていて便利。柔軟性は、購入後の手入れで随分と向上する、価格と性能を考えれば、他からの代用品よりも、実践的なクライミングでの確保で長時間・安心して使えると思う。

耐久性・重視の判断なので、使い易さ、柔軟性や軽さを優先したい時には、ホ−ム・センタ−で毎回、楽しくタイプや色を変えて購入して来ては、カラビナ・ル−プを縫い付けて改良して、消耗品・感覚で使い変えている作業用(電気工事)グロ−ブも個人的には、以前から使い続けている。
『キャニオニング』や沢では、使い捨て感覚で耐久強度は無視して、非常に薄くて水はけ・良好なフイット感覚
に優れている、ある種のジャンルから流用できる「タイプ」を、この10年間は使っている。
国産の安価な、フイフイは使わない
方が良い。強度も弱くて、過激?
過酷な状況では、曲がってしまう。
私は『バイカ』と(上・写真)の最新
『PITZL・ペッツル』社・製品を数年
使用していて、エイド・クライミング用
と、アイスクライミング用として二つ
利用している。
彫金を少しばかり、やっていたので工芸的な細かな
金属・加工や、作業は苦にならず楽しく行なえるので
カムのメンテナンスやカラビナ類の手入れは、怠らない。

基本的に『用具・道具』の、手入れも仕事の内だと考え
ているのと、使用頻度は他の人達よりも比較できない
日数・時間で、使う『用具』の確実な『確認・点検』は絶対
に必要な、職業的な責任だとも思う。
ロ−プやスリングも洗うのは、20数年前から私には常識
範囲の行為だった。最近は(右・資料)の、市販品に良い
メンテナンス商品が出回っているので、洗剤やリンスを
あれこれ実験しなくても、済むようになった。

『コイル状のロ−プ洗浄ブラシ』は、長期の企画やツア−
時、そして夏のスク−ル期間も現場に持参して、使ってい
る愛用品となって来た。
洗浄中に1回、陰干し作業中に1回、そして乾燥させて
ル−プ収納する時の、作業時に最後のチエックを1回。
最低でも保管前に3回は『ロ−プの損傷をチエック』する
習慣が身に付いた。
『クイックト゜ロ−・スリング』のクリップ側カラビナとの接点に、取り付けてロ−プ・クリップ性能を高め、かつ岩との接触からスリングを保護し、カラビナの不要な半回転を、防止する目的で使われている『ペツッル・ストリングス』は、普及品の代名詞。他にも、幾つかの製品が登場していて、『カラビナの反転防止』に有効な補助用具として、利用するのを薦めています。色々と応用して使えます
初期の『金属リング・タイプ』の、物を20年間ほど使えている製品もある。ゴム・タイプは完全な消耗品。
日本国内で入手し易い『アメリカ・パイカ』
の、エイド・ギア類。
初期に入荷していた『フイッシュ製品』や
『A5』の、製品は最近・入手が入手が困難。

海外で購入して来るクライマ−も多い。

『コパ−・ヘッド』類に関しては、ヘッド部が
アルミ・タイプの物や、より岩との密着度が
向上した、Wヘッド・タイプに利用価値の高
い製品が、登場していて。欧州メ−カ−にも
良い製品が出て来た。

『リング形状のサ−クル・ヘッド』は典型的な
ル−フ付け根の、引き抜き方向に使用する
のに適したタイプで、私は試験使用の経験は
あるが、まだ実践的なル−トで使って、騒い
でいない。
『シヨッカ−』は、古い『サレワ・タイプ』と殆ど
同種の製品で、現在シャルレ等から発売され
ている再使用が不可能な『アブゾ−バ−・ス
リング』よりも、利用価値は高そうだ。
衝撃・吸収後に、スリングが゜交換できて器具
に損傷が無ければ、再使用が可能ならばソロ
クライミングでの利用価値は高い。
『パイカのア−ドバ−ク・フィフィ』は、初期・入荷時から愛用している。高強度で使い易い形状、最近のタイプは表面加工が変更されて、少し精悍さ?が、減少した。『ヤンクミ−』は、少し長さが他社・製品よりも短く感じる。私個人は『A5』タイプが、ワイヤ−を含めて好みだ。
『ル−・バット・フック』は、ドリル径に注意。旧シュィナ−ド・タイプの『スカイ・フック改造品』に、最も形状が近いモデルで、フック先端部の切り込み、がドリル穴に軽く、打ち込んだ時に機能を発揮する。

『アイビス&スプ−ン・ビル』は、高強度のエイド・フック。先端部が横向きの『アイビス』が、フレ−ク用の大型フックであり、スプ−ン・ビル・フックはアイビスの改良タイプ。最近では、先端部の縦型に評価が高まっている
『オ−ク&マラ−ド』の、使用体験を持たないので説明のしようがない。
『トウ−カン』は、初期の単純なブレ−ド部分がストレ−トなタイプを、ル−ト開拓で使った経験があるが、現在・市販の『カム作用』が利用できる、タイプは使えるギアだと感じる。『フック&カム』この種の新しいフック・デザィンはピトンの使用範囲で、よりフェア−な用具として評価されるかも知れない。

『ア−キ−・アイスフック』入荷・時、以前から入手・長年の愛用ギアだ。通常タイプの『アイス・フック』と、比較するのは好みの問題。使用範囲は意外と広く、日本的・氷結斜面から様々な箇所で利用できる。
『精神的・補助用具』でも、構わないと思っている。先端部の硬度は意外と、軟らかくシャ−プニングは容易。
勿体無いので、まだ岩での使用経験は無い。

『Zピトン』リ−パ−・モデルからの愛用者であるので、このタイプも使いたいのだが、殆ど同じ物がはるかに、安く購入できるので、未だに購入していない。

『カム・フック』リ−パ−・オリジナル品を使っている。

『アルムアロ−』ウシュバのチタン・ピトンと組み合わせて、長く使っている。
『パイカ』の、この短いタイプの物は『ストッパ-』とスタッキングするのに適しているかも知れない。
日本では、殆ど必要性を感じない、種類の『用具』かも知れ無いが
一部のクライマ−には、必携品。
30年ほど、前に市販されていたら・・・・多分、購入してしまったろう。

個人的には、初期タイプの単純なスライド・ロックのワイヤ−・ハンガ−
で、不満を感じていなかったがワイヤ−が短く、実用的なリベット専用
のハンガ−には惹かれる。

エクス−ド・リベット・ハンガ−が必要になる国内のル−トを私は一つ
も、知らないので・・・・
頭が雪崩で、吹っ飛ぶ前に『アルミ・リベット』は消失していそうだし
ボルト類の様に、浅く打ち込むクライマ−も、いるかどうか?
もし、荷重に耐えれて、ヘッドが飛び出ていたら、曲がるはずだし、
ヘッドが欠けた『アルミ・リベット』・・・・まだ、見たことが無い。
『リベット・ハンガ−』が、日本国内の岩場で必要な場所は意外と
多い。ただし、その種の『ル−ト』を登りに行かないと必要性は理解
し難いが、一時期、私達も数多く?使っていた『アルミ・リベット』にも
使うが、リベット類を使用した過去の開拓ル−トでは、滅多に、これら
の専用ハンガ−を使う事は無かった。
エイド・クライミングの基本である1cmでも、頭上・高く・これが大抵の
現場感覚なので『ワイヤ−・ハンガ−』も、極力そのワイヤ−部の長さ
は短い方が、私はうれしい。
単純な2本ワイヤ−でスライド式に、リベット類を締めて固定さす方式
と、1本ワイヤ−で加重するとル−プが締め上げられるタイプを比較す
ると、より確実に固定する『スクイズ・タイプ』が、これからは薦められる
『既製品の便利な、リベット・ハンガ−』等が、存在していなかった頃には私達は2mmの細引き(ロ−プ・スリングと呼べない?)を、リベット頭部に巻き付けて利用していた。この種の、細引きをリングが折れた『ボルト』や、自作タイプのハンガ−が外された『ボルトや釘』にも、使用していたが強度的には全く信頼できない代物ばかりだった。実際に『バット・フック』数回の垂壁からの、岩の欠落で5m〜6m程の墜落で、こういった細引きは簡単に引きちぎれて、次々に気休めプロテクションは、役立たずに落下距離が伸びた。その時の恐怖と言ったら・・・・細引きの結び目からの、破断も多かった。所詮、墜落を止めるほどの強度は期待していた訳では、なかったが、『ワイヤ−・リベット・ハンガ−』を、使用していれば幾分かは墜落距離は短くなったかも知れない。
1940年代に『エド・リ−パ−』によって考案・製作されてアメリカのクライマ−には、現在でも根強い愛用者が多いと聞く『ゼット・セクション・ピトン/リ−パ−・ピトン』は、私も長年の愛用者だ。
日本の岩場では、あまり馴染みが無いが1950年〜1970年代までの期間には、欧州・アメリカ・韓国で幾つもの『リ−パ−・タイプ』の、ピトン断面がZ型タイプが数多く、製作・使用されていた。1970年代には、日本でも軟鉄製の同種・類似品が発売されていたが、このピトン本来の使用目的や形状・理由を正しく理解・認識して模倣品を製作したのかは、かなり疑問だった。ただし、いったん岩場に正確に打ち込まれると、強固な支点となり、クロモリ・アングル・ピトンが普及・以前には利用価値は高かった。
(上・写真)
上から、赤色に着色・塗装されていた軟鉄製『日本製品』回収は困難で、無理に抜こうとすると頭部に亀裂が入るような厚みに不安を感じるタイプだったが、何本かは六甲山の岩場でも使用して、2007年・現在でも不思議な事に、残置として未だにル−ト内に残っているものもある。

真ん中の物は、オリジナル製品には見られない大型サイズのフランス・シャルレ製品。重く、無骨で使い辛いという印象が残っているが、これも『クロモリ・アングル』が手軽に使えるまでの期間には、数少ないクラック・サイズに適合するピトンとして重宝していた。穂高・明神2.263m峰や五千尺フェ−ス、その他の岩場のル−ト開拓時には、実際に役立っていた。南アルプスのクラックで、仲間が1セット3本を、誤ってカラビナと共に落としてしまい、その後に、若い友人にリ−パ−・オリジナル品と合わせて貸して、理由があって戻っては来なかった。写真の1本は、使用せずに残っていた物だ。

下は、カラビナ・ホ−ルに斬新さ機能を感じる、かなり古い『グリベル・ピトン』リ−パ−・タイプとは、異なるブレ−ド形状に、面白いアィディアを感じていたが、普及しなかった。ピトン自体に使用されている鋼材も、当時としては、珍しい合金・比率で、強度面でも安心して使えていた。
英国の『クロッグ社』は、一時期・日本国内でもエイド・ギア関係で、シュィナ−ド・タイプのクロモリ鋼・使用のロック・ピトン(キング・ピン)や、ラ−プに各種フックで、目新しい用具を提供してくれていた。
(上・資料) 【D】は、初期シュィナ−ド製の『スカイフック』フック先端と、下部の2脚ポィントで安定さす、基本的なデザィンを始めて、採用した当時としては最も安定して使えた『フック』
【A・B・C】は、クロッグ製のラ−プ類で、私は【A・B】2種を、かなりの数量・使用していて、現在も愛用。
【E・F・G】は、クロッグ製の、それぞれフック形状に特徴を持ったオリジナル品で【E】タイプを改造して、一般的な【バット・フック】とは異なる、特殊なエイド・クライミング専用・用具として使用していた。
明るい『ケイバ−』の友人は、活動後には毎回「下宿の窓」から延長ホ−スを階下まで、下げては『ロ−プ』や装備類をセッセットと洗っていた。随分、前の事だが当時の私は『クライミング・ロ−プと羽毛服』は、洗う事は性能が低下して、貧乏クライマ−には縁の無い行為だと『洗物・厳禁』主義の迷信を信奉していた。
その後、ある時に降雨中の長い懸垂下降で無事に、地面に降り立ち、ずっしりと水を含んだロ−プを収納する時の『泥の付着』に、嫌気がおき出してから下降器具の凄まじい磨耗・泥の付着したロ−プで削られた器具の凹みを発見して、驚いた。まるで滑らかに削り取ったが、ごとくの曲線の凹みは愕然とする思いだった。
それ以降は、真面目にクライミング・ロ−プの点検と共に、洗う事に対しての抵抗感は消失してしまった。

今の様に『ロ−プ・シ−ト』を使う、習慣も無ければ専用の洗剤も市販されて、いなかった頃にも風呂敷・包み
ロ−プのクライマ−を笑わなくなった。ヘルメットも包んで、持ち運びしていたクライマ−も、いた頃なのだが慎重さは一種の『美徳』だとは、かっこう・つけていた私達は、理解していなかった。『蓬莱峡』や『ロックガ−デン』での使用後は、特にロ−プ・チエックや砂の付着に注意し出したのは、まだ20年ほど前からの習慣。
北極圏の大岩壁でのクライミングを、本当に視野に入れて
トレ−ニングとして、国内でのル−ト開拓に精力と情熱を
傾けていた時期には、当時の日本では入手する機会も無く
使用された、前例の無い用具に対して仲間達と工夫して自
らの力で、造り出す必要があった。

『バット・フック』の多様で、開拓したル−トやアルミ・リベット
を積極的に使っていたのも、その先のクライミングに『夢』を
見ていたからで、国内での活動で開拓そのものに価値を置
いていた訳では無かった。
東欧ケ−バ−が、紹介した『イ−ジ・ゴ−・ユマ−ル・システム』
の練習から、他のジャンルからの技術や用具に関する知識の
必要性も学び出した。

木板の単純な『ブランコ』の、作成・使用から先輩の金山氏は
当時としては、画期的な硬質樹脂の柔軟な板で、とても使い易
い『プレ−ト・タイプのブランコ』を、作成してくれた。
穂高での使用・日数だけで私は50日を越えている。

この時に、工夫した『バック・サポ−ト』のテ−プは最近では
最新の、ノ−ス・フェ−ス社のブランコに同じシステムが採用
されていたりする。
80年代から、フランス・シャモニ−に民主化の波が、始動しだす気配が見え出した、東欧圏からのクライマ−の姿を多く見るようになった。彼らが、財源として売り歩いていた『各種チタン・ギア』は、当時の日本人クライマ−にも注目されていた。