
| 驚くべき事に、60年代の後期に、このクラックが登山靴・履きのクライマ−によりロ−プ確保なしで 『クライミング・ダウン』での、下降ラインとして使用されていた。実際に、その光景を目撃していなければ、嘘だと思われるような勇気が必要な、下降方法が現実に行われていたのは驚くべきことだと思う。 さすがに、そういった危ない『クライム・ダウン』を平気で、行っていたクライマ−は数人だけで。一般的には壁中程の明瞭な、クラックまでの急傾斜部を丸太並みに太い『固定ロ−プ』を、握って下ってから、途中からクライム・ダウンと言うのが通常の方法だった。それでも、壁半分はロ−プ確保なしでの『クライム・ダウン』だったので、毎回ながら、この箇所の下降では恐さを克服しなければ、ならなかった。朝一のウォ−ミング・アップとしては、かなり冷や汗ものの運動だ。それが、何時頃からか、完全・固定ロ−プとなって、次に金属製の鎖に取り替えられ、次に、ラッペル用の『支点』が、設置されて今・現在、ここを『クライム・ダウン』で、下降するクライマ−の姿を見る機会は、まず殆ど無いだろう。 |
| 『堡塁岩・中央稜・下部、東面』 |
| 岩質が堅く、安定している『堡塁岩』で、『東稜・取り付き付近』と、この壁の下部、及び右側に接している『サルカニ・フェ−ス』下部が、崩壊・剥離する岩場で、この30年間で様相も、かなり変化している。 下部の脆さが目立つ箇所を除けば、岩場として危険と言うほどの事は無いのだが、下段のカンテ右・側面の岩も、少し状態が悪化して来ていて、利用者は少ない。ほんの数メ−トル離れれば、快適な堅い岩場が続いていて、わざわざ、この当りをル−トとして攀る必要も無いので、昔からクライマ−が利用している場面に出会わないが、3本ほどは古いル−トが存在している。 (上・写真)は、1982年・撮影の『中央稜・下部・東南面/日本100岩場(4)東海・関西、版にも紹介 の『加美ライン/下降路・左フェ−ス』を、ソロで登っている写真。 当時はX級・範囲の難度らしいと、考えられていた。距離も短く、現在では上部に、支点も設置されていることから初心者のトップロ−プ練習としても、込み合う時の予備ル−トとして利用されている。 この下降用クラックそのものを、利用するのも面白く、右側には課題として利用できるル−トもある。 『壁』としては、あまりスッキリとしていないが、左側カンテまでの間に実は古典的なフリ−・ル−トが、更に2本あり、上部のブロック・テラスからは同じく、派生的で短い距離ながら2本の課題的なラインも利用できる。一般的には、利用しているクライマ−を見る機会は、少ないが正面壁が、混雑している時の待ち時間に利用する時などには便利だろう。 取り付き、付近の岩が不安定な点と、ラッペルで降りて来るクライマ−の邪魔になる場合があるのが注意点。短い、段差での転落・事故も意外と多い。また、ロ−プ操作で、地面の岩角に引っ掛かり易い箇所なので、不慣れなビレ−ヤ−の為には、立ち位置を含めて事前に、しっかり指示を与えておくのが安全だ。多くのクライマ−の通行・箇所と重なると言う欠点も知っておいて欲しい。 この範囲の「ル−ト」は、古典派に属す。別段、困難では無いが支点は少なく、残置の整備は行われていないと思う。 |
| 現在で゜は下降用・支点が設置されている。 |