『テンカラ・ライン考』
かって馬の尻尾毛を、使用して現在で言うところの『テ−パ−・ライン』や、絹糸製造の段階の『糸』を幾本も工夫して『テンカラ=和式毛鉤釣り用』の、ラインとして使用していたと言うのが原形。最も初期のラインだと考えられている。職業的な川釣り師が、使用していた理由を単純に『渓流魚』が釣れるからと説明している人達は多いが、その辺りの認識には『テンカラ釣り』に対しての、強い愛着や『餌釣り』との比較で、劣勢と思われる毛鉤釣りに対しての強い、執着や思い入れが反映されているようで、歴史的な考察や本人達からの直接的な伝聞情報と言うのを、聞いた事や文章上の証明・証拠としても見た記憶が少ない。(やたら説明・文章の中では読む機会の多い、話題ではある)

一部の地域や個人範囲の、釣り師の中で使用されている『タタキ』や『トバシ』の表現で、説明されている釣り方にも『テンカラ』の原形と考えられている、用具構成が見られるし、毛鉤で渓流魚を釣ると言う目的で、餌を毛鉤に置き換えた『俗に言うチョウチン釣り方式』に、限りなく近い方法での釣り方でも、毛鉤釣りと表現される方達は多いので『テンカラ』の範囲は、人によって大きな考え方にも、釣り方にも差異が見られる。
『テンカラ』釣りの技法や、歴史的な推察に関しては、『職業釣り師/川魚』の秘伝的な釣り技法や、一子相伝・的な特殊な技術や神業的?とも例えられる幾つもの、伝聞情報の話題は多い。
俗に『テンカラ釣り』が一つの遊び方、釣り技法や同じ、毛鉤釣りジャンルの英国発祥のフライ・フイッシングとの比較や対比で、語られ出した頃から逆に『和式毛鉤/テンカラ』に関しての、歴史的な発展や地域性の強かった、釣り技や技術に関しての研究なども活発になり出し。

『バス/馬の尻尾毛』を幾本も、より合わせた
最も初期のラインは、現在でも一部の愛好家に
使われていて、殆ど一般の渓流釣り愛好家の間
に流通していたり、手軽に市販品を購入する事は適わないが、一つの伝承系の用具として継承
されても良いだろうし、残っているのは素晴らしい。ただ、これからは一般的に使われるタイプの物では無いし、使用する機会も得られないだろう
『ライン』と言う呼び名、言葉が使われ出したのも『テンカラ釣り』の歴史の中では、近世に入ってからで昔の人達の、釣り技法や用具の中で『ライン』等の西洋的な、表現が存在していた訳でもない。

地名と同じく、伝統的なもの、継承的な用語に関しても徐々に失われていくのが当然だという、流れの中で『テンカラ』にも、様々な用語や呼び名が変化しているようだ。
『毛鉤』が『フック』と呼ばれ、『竿』が『ロッド』と呼ばれても、今では誰も異を唱えないし、西洋式のフライ・フイッシングで使われる、多種多様な『毛鉤』や『ライン』も抵抗感も少なく、現在では和式毛鉤釣り『テンカラ釣り』で流用・利用されていて、用具類の範囲では特別な区別や限定は無く、制限と言うことも行われていない。端的な例としてはフライ・フイッシングで使われている『ライン』は、原理的にも性質的にもテンカラ・ラインに使い易いので、一つの方式・システムとして愛用者も多い。
『伝承・継承系の釣り技・釣り方式・技術』に繋がる、純粋な和式としての『テンカラ』は良い意味でも、逆の意味でも大きな変化・変貌を遂げて、進化系の『釣り遊び』として、幾つものタイプが存在するようになって来た。『流派』『流儀』に近い、感覚でシステム・用具類の使い分けで幾つもの異なる『テンカラ』が存在し、十人十色・個性、それぞれに『ライン』には意見も考え方も違った使用方法と種類が存在していて、初めて『テンカラ釣り』を楽しもう、体験しようとする人を迷わせている。
擬餌餌である『毛鉤』を、的確に狙った位置に飛ばす為には『ライン』が自分が予測・思ったとおりに、振りに合わせて、延びてくれる事が大切となる。延びるとは、『毛鉤』が予定している位置(ポィント)まで、飛んでくれる事を指している。『テンカラ』の魅力の一つとしても、引き合いにされるのが、この『ライン』を『竿』の振りで飛ばす動作(ム−ブ)で、熟練者はラインからハリス、毛鉤と無駄なく軽い動作で自分が渓流魚を釣り上げようとする場所(位置・ポィント)へ飛ばす事が出来、現場での立ち位置と川の流れ、風向きや風力、そして水面下の渓流魚の捕食ポィントや動き方なども予測して、自分が振り込んで着水する『毛鉤』をラインを通して、かなり精度高く、予測・予定したポィントに届かす事が出来る。

スィング・バランスとリズムと表現される『テンカラ竿』から、毛鉤を結んでいる『ライン』の使い方こそが、この和式毛鉤釣りシステムの最も、重要なポィントで、ある程度『ライン』を自由に扱えるようになれば、この釣り技法の重要な要素は理解し、使える釣り技術を会得し出したと考えられている。

『ライン』には、ナイロンからフロロ・カ−ボン、テンカラ釣り専用に開発された専用の特殊な『ライン』が多数、生み出されていて素材の違いや、『ライン』自体の構造的な違いでも、幾つもの種類が存在している。
熟練し、技術的な領域で達人クラスに技法を向上・研究した人の中には単純なナイロン単糸を独自の工夫で振り、一般的な人には真似する事が非常に困難な『テンカラ技法』を駆使できる先輩もおられる。

俗に『レベル・ライン』と呼び称されているテンカラ釣りでは、徐々に素材比重がナイロン繊維よりも重く、竿の振りからの『ラインと毛鉤』の伸びが良くなる、単糸の特性が注目されて市販品の専用ラインよりも、価格も安くて自分の好みの長さで、利用できる手軽さも手伝って使用者は増えている。
軽い『毛鉤』を、『竿』に結び付けて振り、飛ばす為には『ライン』の重量が、ほんの僅かでも重い方が有利なので、天然素材しか利用できなかった時代には麻や絹の、繊維から作り出された『糸』よりも繊維自体に重みがあって、現在で言うところの撥水性能や捩れが自然回復する動物の『毛』や、価格が安くて生活圏の中で入手が容易だったと考えられる、木材の皮繊維などが利用されたのだと思う。
『馬の尻尾毛』が、利用されていたのも、そういった時代からの名残で明治以降からは国策でも在った『繊維産業』の影響もあってか、絹や木綿のハギレから紡ぎ出したり、半端な製品素材から作り出した釣り糸が西日本・周辺から各地に広まり利用されていたらしい。

同じ様に、『毛鉤』も一般的に東北・甲信越を含めた東日本・範囲の土着的な『渓流釣り』と言う、イメ−ジと職業的な職人技や一種・神秘的な伝承話しから『てんから=東日本』と、考えがちだが『ライン=糸』『擬餌餌=毛鉤』にも、『播州毛鉤』等の、一時期、隆盛を極めた地域色・豊かな独自の用具の歴史がある。
『紀州トバシ=テンカラ』等も、歴史的には80年〜90年と近世範囲の釣り技法だが、ナイロン単糸の最も技術的に高度で習熟には努力が要求される、独特の『テンカラ』も存在していて、広く西日本・範囲にも独自の
『毛鉤釣り』伝統は受け継がれている。何でも、東・東京を中心とした釣り情報の発信元の人達は、この和式毛鉤釣り文化も『職業的・渓流魚を対象とした漁師』や『マタギ』『サンカ』山人を思い浮かべられる、範囲でしか歴史を見ない雰囲気が強く、最も文献情報の中で信頼出来る『てんから/てんがら』鮎の毛鉤釣り、が盛んだった『加賀藩』の武士の毛鉤釣り等の、情報を詳しくは紹介していない。

『日本古来』とか、『テンカラ』そのもの、語源の不思議さ、系統と伝承の歴史などの疑問が愛好家に内面的な独自性・自分は他の一般的な『渓流釣り』とは異なる、独特で神秘的な雰囲気を持った遊びに参加している。
そういった優越感や、人とは違うという個性の主張を行える楽しさのような感覚を覚えるようだ。
特に『日本古来の山人や職業釣り師の伝承技法』と言う、フレ−ズや説明に弱い人が多い。歴史や郷愁、
継承・伝統と呼ばれる部分に、それでなくとも『自然派・系統の人種』は弱いのだ。かくいう私も、その人種の一員のようで、この種の『説明』に歴史学的にとか、継承された伝統と言われると、たかだか明治ぐらいからの歴史・証明でも説得力を感じてしまう。

そういった風潮・雰囲気を今尚、強く残している『渓流釣り技法の一つ・テンカラ』も、最近になってフライとも共通するスポ−ツ的な感覚で、気楽に楽しむ人達が増えて来て、伝統的と呼ばれている技法や用具にも革新的な改善・改良が進み出していて、市販品にも価格に見合う程度の『用具』は存在しているようだ。
『バンブ−・ロッド』と、同じくテンカラ竿にも日本独自の『和竿・竹竿』が存在していて、今では貴重だが少数派ながらも愛用者や制作者も健在。こういった用具の部分でも、継承して残って行って欲しい物は多い。

海外での共通様式として、説明される英国・発祥の『フライ・フイッシング』にしても、その歴史的な経緯の中に日本独自と言われる『テンカラ』と、全く同じ用具立て・システムも酷似している『ダッフリング』と呼ばれていた毛鉤釣り『技法』が、120年〜範囲に実在していた事を紹介しない。同じ様に『フライ・システム』の中には、毛鉤を複数ラインに結ぶ方法も、使われていて、これも和式毛鉤釣り技法で、同じ様に使われている事は、少しテンカラの歴史に興味があり、技法に興味を抱いて勉強している人には周知の事実だ。

個人的には他の地域、国の人々も釣りの歴史の中で、水成昆虫や羽虫を似せた『擬餌餌』釣りを、試していたと考えるし、リ−ルや機械的な用具が生み出される、以前には『テンカラ』のシステムは利用されていたと考える方が妥当だとも思う。

『馬素/ばす』と呼ばれた、馬の尻尾毛を幾本も撚り合わせ、竹の子つなぎ(テ−パ−・ライン)として作ったテンカラの話題では、必ず登場する『ライン』は、現在では入手そのものが非常に困難で、一般的な都市生活者が手軽に使えるラインではなくなっている。単糸を撚ってムチの様に先端部に向うほど、細くする技法が、どの程度昔から使われていたのかは定かではない。少なくとも、機械式に簡単に作り出す事が出来なかった、100年以上も前には、ラインの素材から考えても多くの選択肢・利用できる物も、限定されていたからこそ
『馬素』も誕生して、使用されて来たのだろう。

生活・糧を得、住居や狩猟で必要不可欠だった『縄』や『紐』の、使用は信じられない昔から利用されていた。
漁を考えた場合に『釣り』は、必ずしも量的にも効率的にも、優れていたとは考え難く『渓流魚・専門・漁師』と言うのも、文化継承の範囲や生活行動学、歴史から見て同じく、テンカラを含めた『単純・漁法』が、生活の基盤と言う考え方にも無理がある。狭い生態系の中での収穫物の、保護と言う視点は在り得る。
猟や罠と、同じく『川でも同じ技法』は古くから、使用されていた。

『テンカラ釣り・毛鉤の利用』は、俗に愛好者が現在、広く説明に使用する『量』の確保ではなくて、全く逆に狭く、小さな漁場・広く自然環境を永続的に利用する為の、保護的な思考から、採用されて来た釣り技法なのかも知れない。釣れる魚だけを、釣り上げる。この辺りに『テンカラ』を、職業的・漁師としても活動していたと言う山里・山間部に住む人達の、知恵が生かされて来たのではないかと私は考えている。
『簗/ヤナ』や『刺し網』が、使える時代にも敢えて、一網打尽・方式の渓流魚の捕獲・採取に走らなかったのは、日本的な自然環境の中での、永続的な利用を最優先させた、先人達の知恵だったのではと、考えてしまう。チビイワナを食べもしないのに、無意味に持ち帰ったり、無用な殺生を楽しむ渓流釣り愛好家に、こういった部分での思考は期待出来ないし、バス釣り愛好家に環境保全や自然の保護、ましてや天然魚の貴重性や重要性を説いても、多分・無駄だろう。
これを書き始めたのが2006年の5月からで、私が使っている『テンカラ用ライン』の種類だけでも、軽く30数種類となっている。満足な渓流釣り用具が揃えられなかった頃に、餌釣りに入る前に『毛鉤釣り』に興味を持ち、体験する機会に恵まれたのは、今から思えば幸いだった。後に一般的な『山岳渓流での餌釣り』『ルア−』を覚えたのだが、最も最初の渓流魚との出合が『和式毛鉤』だった事は幸運だと、思っている『岳人』の中の、渓流釣り記事の『毛鉤釣り』から、興味を持ち出して『テンカラ』に集中したのも、クライマ−の持てる用具の最小範囲に合致し、無駄な金銭的な負担も少なかったからだ。

金銭的な余裕が無ければ、殆ど満足な釣りも行えない他のジャンルの、釣り方と違って『テンカラ』は貧乏なクライマ−にも、自作用具や改造品、餌代無用で丈夫な自作ラインは数年の酷使にも良く耐えてくれ、金銭的な負担は最も少なかった。『毛鉤』を巻く為の『バイス』や、専用用具も無ければ瞬間接着剤も使っていなかったし、それも・今から思い返しても『ちゃんとした毛鉤』は作れていた。
だいいち、私は人生の中で市販品の『毛鉤』という代物を、貰い物は別として、まだ買った経験が無い。

『西洋式の毛鉤釣り=フライ・フイッシング』のシステム・用具を生まれて初めて見たのは、中学生の頃に家族と見に行った『映画』だったような、記憶があるが当時、私が住んでいるような地方都市には古いタイプの個人経営の『釣具屋』さえも、見た記憶が無い。勿論『フライやルア−』の各種・用具を取り扱うようなシャレタ、店なども皆無の頃だから、総合スポ−ツと名ばかりの小さなスポ−ツ用具の店で、簡単な海釣り関係の釣具しか、私達は知らなかった。テンカラ等の釣り技法を身近で、見れる機会も無かったので16歳までの期間の、釣り体験は当時の田舎の子供達と同じ様な、単純で用具にも費用が必要のない川釣りや、大人達に連れて行かれた防波堤での釣り程度が、私の釣り体験だった。
キャンプから山へ、そして本格的にクライミングから高山での夢へと『山岳』の世界に、踏み出していく過程で
『沢登り』に、出会わなかったら『山釣り/渓流釣り』そして、テンカラを身近なものとして考えもしなかったろう釣りの本や雑誌から、覚えたのではなく『山岳系の書籍・岳人』の中に出ていた、数ペ−ジの『テンカラ・毛鉤釣り』の世界に、興味を惹かれ徐々に、他のジャンルの釣り技法やスタイルも知るようになった経緯は、他の『渓流釣り愛好家』の人達と、少しばかり出発点が違うようだ。
本物の『フライ・フイッシング』を実際に見たのは、『リバ−ランズ・スル−・イット』の様な、映画や美しく仕上げられたフック類の写真が目を引く、雑誌類ではなくて本家本元のスコットランドの辺境地域の川でだった。
丁度『スコティシュ・フェスティバル』で、賑わう季節に『グレンコ−』から北上して海から内陸部の山々の裾野をヒッチ・ハイクと徒歩で、小さな集落を通過しながら『旅』を続けている時に、ビバ−ク地として使っていた石橋下で、朝霧に霞む早朝に集まって来た、地元の釣り師達を見つけてのことだった。
皆、粗末なと形容して良い衣服に長靴、茶色のロッドを使ってラインを振っていた。不思議と、それ以降は、どこの川でも大勢の人達が集まって一箇所で『フライ』を、楽しんでいるという場面に出会わなかった。子供達の姿も、あまり川の中では見なかったし、女性の釣り愛好家と言うのも3つのシ−ズンの中で、見る機会も無かったと記憶している。

当時は『旅費や生活費』そして、クライミングに必要な費用の方ばかりに目が行っていて、とても釣具や釣りの為の費用を捻出する、余裕は無かった。今から思えば、とても惜しい事をしたと言うのが本音だ。
道具仕立て、特に『現地の毛鉤とライン』ぐらいは、もう少し興味を持って見させてもらえば良かった。


『毛鉤』と、違って『テンカラ専用ライン』には他の人達と全く同じ様に、長年、試行錯誤を続けている。
時代は『フロロ・カ−ボン/レベル・ライン』なのだが、紀州テンカラへの憧れは、片時も頭から離れず、冬場の空き時間の、夜の秘密練習は欠かしていない。一般的なナイロン単糸8mを3mの、安価な餌釣り竿で綺麗なル−プで、傍目に簡単に飛ばす。これが『カッコイイ』テンカラ・スタイルの見本だからだ。
竿(ロッド)は高品質カ−ボンでメタボリック、ラインは自重が在って誰でもが、容易・簡単に飛ばせる今風の量販品システムの中に、個人的な美意識は感じないし、より困難な課題を努力で得られた、技術と能力で解決し、困難を克服する、これはクライミングと共通する、挑戦的でクリエィティブな遊び方。

『釣果・釣れなければ意味が無い』だけの『渓流釣り』それも一つのスタイルだし他の人が、どのようなシステムや用具を利用されようと、それは全て自由で良いと思う。私は、これが楽しく、その楽しみの為に用具を選択するというのは正しい。それでも、目標や『夢』の、部分に習得に時間が必要で、独学での習熟・達成が困難な『紀州テンカラ』は、私には価値が高く、そして楽しい。
だからといって、私自身が『ナイロン単糸』の、テンカラ釣り技法だけに固執して、頑固に『紀州テンカラのライン』だけを利用している訳でもない、過去20年間で他の釣り人『テンカラ愛好家』の人達と同じ様に、より簡単に、そして・より利便性と釣果も期待して、実に様々な『ライン』を竿に付けては『毛鉤』との相性を、文字通りの『試行錯誤』で試して来た。そういった実験的な使用で使える『ライン』も、あれば実用的に使えないと判断した『ライン』も多いが、一定のシステムの中で古典的な『テンカラ・ライン長さ』ならば、大抵の糸や代用品は使えるという感触も持っている。『テンカラ・ライン』に求められる性能が技術的な問題『腕前』により、これほど大きな差異を生じると言うのも、この釣り方・技法の奥深さ、面白さの一因だと理解できるのも、扱い難いラインを実際に使ってみた経験から感じる事で『専用ライン/市販品』の、使い易さとは別次元で『試す』『工夫』する楽しさは、やはり捨てがたい。

フロロ・カ−ボンのラインに、パラボリックで軽く毛鉤を飛ばせる高機能ロッド(竿)を使えるようになっても、幾つもの選択肢から自由気ままに、好きな用具を使えるようになっても『憧れのスタイル』に、関しての執着心や好奇心は失わないが、『市販品』そのままや、フライからの流用品を簡単に使用して『テンカラ』を、楽しむ事には、利便性を説かれても、いつまでたっても抵抗感を覚えてしまう。
本州・山岳エリアの渓流では『基本的渓流釣り禁止』の範囲が増え出している。一昔前の自然の中での渓流魚との出会いは、遅れて来た世代の私達には『夢』の一つとなった。それでも、それを受け入れる・ずっと゜先の、更に遅れて来た世代の人達に、夢の続きを贈れるかも知れないから。
『テンカラ』を楽しむ、多くの人達はナイロン単糸と比較して、同じ径ならば比重が重くて結束強度にも秀でていて、繊維自体に吸水性を持たない『フロロ・カ−ボン・ライン』を、愛用されている方が80年代、以降から急激に増えていて、それぞれの特徴を有効に利用し、工夫された『フロロ・カ−ボン』を利用した、釣り技法を活用されている。単純に一巻き50mほどの市販品を買って来て、適当に自分の好みの長さにカットして、毛鉤と『ハリス』を結べば、基本的な『テンカラ・システム』は完成する、手軽さは他に例を見ない、単純な用具立て・システム範囲なので、テ−パ−・ラインと呼ばれる『幾本かの糸を、撚ったライン』を、自作したり市販品を購入するよりも、はるかに応用が効いて、価格的にも安価だ。

現在では同じ、フロロ・カ−ボン糸でも製造段階で元径と先端径を、テ−パ−状に成型した単糸の
『テンカラ専用ライン』も、市販されている、単糸でも同じフロロ・カ−ボン糸を、より視認性を強めて、柔軟性も工夫して『テンカラ専用ライン』として、市販されている専用ラインも数種類ある。

『TORAYのトヨフロン・ソフト 4号』この、フロロ・カ−ボン100%のラインは直径0.330mmで、初期のフロロ・カ−ボン・ラインとして、テンカラ・ラインとして流用・使用されて現在でも、使用者は多く
一度は使った事のある愛好家は多い。50m巻き、で市販価格『1.700円』大抵は、割引・価格で購入して来るので半額程度と、価格も安くて使い易い。私も、かなりの本数を購入して、使い続けている
一般的な利用者の多くは『4号』が、使われる事が多く、少し慣れると『3号』も、使える。
『ライン&ハリス』で、このフロロ・カ−ボン100%の『レベル・ライン・システム』で、基本形・最も広く普及しているテンカラ釣り、でのラインの長さ4mから6mで使用する人が多い。

『フロロ・カ−ボン糸』には、幾つもの種類・メ−カ-・使用範囲があるので、幾つかを実際に竿とハリス・毛鉤と組み合わせて試してみるのが良いのだが、一度・情報で出てしまうと何種類ものラインから自分の感覚で選ぶと言う手間は敬遠されてしまう。
『ハリス』に、関しても単純に号数を下げた、フロロを使うのか『ナイロン糸』を使うのかも、かなり個人的な趣味と感覚範囲での、選択なので、せめて何種類かは自分のシステムの中で、満足する組み合わせ方ぐらいは試してみたい。

『バルカン/テンカラ専用フロロ・カ−ボン3・5号』も、2巻き使用して来たが、それほど優秀な
専用ラインという感触を、私は抱いていない。『SUNLINE/ぶっとびテンカラ・テ−パ−・ライン』は同じフロロ・カ−ボン100%の単糸ながら、繋ぎ目や接続・段差の無い完璧なテ−パ−・ラインで、見た目はレベル・ラインだが『3・5〜1・5/8m』製品は、中々に使い易くて一時期は愛用していた。

このタイプは自作する事は不可能なので、同じ様な単糸で゜更に使い易くて、出来れば安価な物をと探して、テ−パ−・ラインの『GOSEN/ちから糸』12号〜3号・13mの先端、細い部分を少しづつバランスを変えて、フロロ・タイプのラインと接続して12m〜の長さで、振り込む練習も行っていた。
価格的には他の『テンカラ専用ライン』市販品と比較して安く、視認性の良い黄色でラインとして使えるが、やはり少し扱い難くなる。しかし10mを超える遠投性能を利用できるので、今でも使う機会はある
同じく『フカセ釣り用の蛍光道糸』も50mで、800円・程度と安価で視認性は、抜群に良くて柔らかいので、他のラインと組み合わせて接続使用することも多い。

2007年、使っていなくて少しだけ興味を惹かれるのは『チタン・ライン』ぐらいだが、市販品としての広告を見ている限りでは単一のライン・システムで使えるだけの優秀性を引き出せていないように、感じた。素材が『チタン』と言う部分には、直進性や強度に関しては、やはり興味を抱くのだが・・・・

海釣り用の組紐タイプ『俗に言うブレ−ディド・ライン』は、使用者の雑誌・投稿記事を読んでから探したが、これはという良いタイプのラインを見つけられず一時期はクライミング用のロ−プの中から、芯糸を引き出して使ってみたり、海釣り用の糸の中から、組撚ったタイプの糸を試しに、何本も無駄に買って来ては試してみた。数年後に、クライミング目的で、訪れた関東の小さな漁港で偶然な縁から二巻き入手する事が出来て、テンカラ・ラインとして使ってみた。重さがあるので、良く飛ぶが・・

軽く優雅に、と言うラインでは無い。しかし価格的にも耐久性能・的にも使い易いことは確かだ。
友人や後輩達には、最初の『テンカラ・ライン』として毛鉤も付けて完成品ラインとして譲る事は多くて安価で丈夫なので、とても便利だ。この茶・肌色の海釣り『漁師使用』の特殊な糸は、現在では一般に市販されていないようだ。私は、まだ充分な残量を保管しているが、これから探す人は入手は困難だと思われる。
意外な地方の釣り道具屋さんや、漁港での偶然の縁とかで入手する機会は残されていそうだ。

『フライ』のラインを買って来てまでは使う気にはならなかったが、『テンカラ専用』と明記された『同種』のラインは、ものは試しと1種類だけ購入して使用したが、確かに毛鉤は良く飛ぶ。
それだけのことだが、軽く飛ばすのが簡単なので技術的な面白味とかは失われてしまう、とにかく簡単に使いたい方には御薦めだとは思った。私は、特別に好みのラインでもなくて、頻繁に使う機会も無いが『ライン』の一つのジャンルとしては、愛用者が増えるのも納得できる。